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Academia e-Network Letter No 122 (2004.06.06 Sun)
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━┫AcNet Letter 122 目次┣━━━━━━━━━ 2004.06.06 ━━━━
【1】首都大学東京問題 就任承諾書、不提出も
——都立大人文学部教授会
『毎日新聞』東京版 2004年6月5日付
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040605-00000006-mai-l13
【1-1】「6月3日都立大人文学部教授会決定」
「開かれた大学改革を求める会」ニュース第7号2004年6月3日より転載
http://www.geocities.jp/hirakareta_daigakukaikaku/news7.pdf
【2】緊急都立4大学教員集会 決議 2004.6.4
http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kinkyu4dai-ketsugi060404.html
【3】日本数学会理事長声明
『横浜市立大学における数理科学の教育について』2004.5.25
『カメリア通信』第22号2004年6月5日より
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-22.pdf
━ AcNet Letter 122 【1】━━━━━━━━━━ 2004.06.06 ━━━━━━
首都大学東京問題 就任承諾書、不提出も
——都立大人文学部教授会
『毎日新聞』東京版 2004年6月5日付
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040605-00000006-mai-l13
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◇「雇用条件など不明確」
都が都立4大学を統廃合して来春開学を目指している「首都大学東
京」の設立準備問題で、都立大人文学部の教授会が場合によっては
新大学教員への「就任承諾書」を提出しない方針を決めたことが4
日、分かった。新大学の大学院構想や教員の雇用条件が明示されて
いないとして、この2点が明確にされるまでは提出しない意向だ。
人文学部は3日に臨時の教授会を開き、都大学管理本部が新大学の
開学から1年遅れで発足させるとしている大学院の基本理念や骨格
が伏せられている点や、任期制・年俸制導入に伴う教員の身分保障
や労働条件が具体的に知らされていない点について、対応を話し合っ
た。その結果、「この2点は就任を承諾するかどうかを判断する極
めて重要な要因」として、都が提出期限としている17日までに明
確にならない限り、就任承諾書を提出しない方針を全会一致で確認
した。
就任承諾書は、都が文部科学省から大学設置認可を受けるため、新
大学の教員予定者全員から取りまとめる必要がある書類。人文学部
教授会は講師以上の124人で構成されており、全員が提出しなかっ
た場合、新大学で設置予定の「都市教養学部」などに欠員が生じ、
当初計画のままでは同省に認可されない恐れが出てくる。[奥村隆]
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【1-1】「6月3日都立大人文学部教授会決定」
「開かれた大学改革を求める会」ニュース第7号2004年6月3日より転載
http://www.geocities.jp/hirakareta_daigakukaikaku/news7.pdf
東京都立大学教員・院生・学生有志発信
開かれた大学改革を求める会連絡先
E-Mail: hirakaretadaigakukaikaku@yahoo.co.jp
HP http://www.geocities.jp/hirakareta_daigakukaikaku/
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『6月3日都立大学人文学部教授会決定
東京都大学管理本部が、(1)新大学における大学院の構成、
(2)教員の身分・労働条件、という2点について明確な案
を提示しないかぎり、「就任承諾書」は提出あできない
東京都大学管理本部の進める新大学案は、現在文科省設置審で検討
されているところです。正式な設置認可を得るためには、新大学に
勤務する予定の全教員から「就任承諾書」が提出されなくてはなり
ません。
しかし、この期に及んでも大学管理本部は一年遅れの二〇〇六年度
に発足する大学院案を伏せたままであり、また教員の雇用条件も具
体的には示されていません。
どのような大学院がつくられるのか、あるいはそもそもつくられな
いのか、また勤務する上でどのような条件が設けられるのか、これ
らは諸個人が新しい大学への就任を承諾するかどうか判断するうえ
できわめて重要な要因です。
六月三日に開かれた人文学部臨時教授会では、大学管理本部が①大
学院の構成、②教員の身分・労働条件、という二点について明確な
案を提示しないかぎり、「就任承諾書」は提出できないという点が
全会一致で確認されました。
今後管理本部側がどのような具体的な案を示してくるか、皆様も動
向にご注目ください。』
━ AcNet Letter 122 【2】━━━━━━━━━━ 2004.06.06 ━━━━━━
緊急都立4大学教員集会 決議 2004.6.4
http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kinkyu4dai-ketsugi060404.html
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「就任承諾書(助手に対しては「意思確認書」)提出の前提となる
諸条件を明確にすることを強く求める」
東京都は、現4大学(都立大、科技大、保科大、短大)と大学管理
本部が二年以上にわたって作ってきた「大学改革大綱」を昨年8月1
日に突如破棄し、一方的に「新しい大学の構想」を打ち出して以来、
「トップダウン」と称して、現大学教員や学生・院生の声を聞くこ
となく、多くの問題が指摘されている新大学構想を一方的に進めて
きた。
このような状況の中で、4月28日、大学管理本部は文部科学省に
対して新大学「首都大学東京」の設置認可申請を行った。5月20
日には、西澤潤一教学準備会議座長名で「就任承諾書等の提出につ
いて」という文書を首都大学東京各学部長・研究科長予定者に送り、
各教員に対して7月初旬に文科省に提出する「就任承諾書」を、6
月17日までに提出するよう求めている。また、同日経営準備室か
ら提示のあった、助手定数(案)と再配置(案)では、助手の意思
の如何にかかわらず、再配置を強行する可能性が示された(この中
で助手に対して「意思確認書」の提出が求められている)。さらに、
5月26日に提出された「首都大学東京学則(素案)」および「首
都大学東京大学院学則(素案)」においては、教授会は、「教育と
研究の状況について自ら行う点検及び評価に関する事項を審議する」
としてその機能を大幅に縮小し、大学の自治と学問の自由の根幹で
ある教員人事の権限が奪われる規定となっていることに重大な危惧
を抱かざるを得ない。また、都立大学では理学研究科、工学研究科、
都市科学研究科が大学院部局化を果たしているにもかかわらず、教
員が学部所属として扱われているなど数多くの問題がある。
私たちは少なくとも次の3項目について、大至急大学管理本部、教
学準備会議、経営準備室が、誠意ある明確な説明を全学の教員に対
して行うことを強く要望する。
(1)2006年度に予定している新大学の大学院基本構想
新大学の大学院構想については、博士課程まで有する研究者養成機
能をもつ大学院となるのかどうか、これまでのように人文科学から
理学・工学まで幅広い専攻をもつ大学院として設計されるのかどう
か、教員の所属を大学院とする大学院部局化が行われるのかどうか、
などの点は、私たちが新大学で教育・研究を続けていくことを判断
するための大きな基準となる問題である。これまで50年にもおよぶ
都立の大学の教育・研究蓄積を生かし、発展させていくことができ
るのであれば、私たちは現在ともに研究と教育を進めている大学生、
大学院生とともに喜んで新大学への具体的移行に積極的に加わりた
いと考えるが、今に至るまでその構想が全く明らかにされておらず、
「就任承諾書」を提出するための前提条件が示されていない。
(2)新大学における教員の勤務・労働条件と身分保障の問題
大学管理本部が提示している勤務・労働条件は、新大学で真剣に教
育・研究に取り組もうとしている教員にとっては、大きな不安と不
信を抱かせる内容であり、「就任承諾書」の提出を困難にさせてい
る。新大学へ移行にあたって労働条件は基本的に維持されるべきで
あり、職員団体・労働組合および個々の教員と十分な協議を行わな
いまま一方的に労働条件を不利益に変更することは許されない。人
事・給与制度については、職員団体・労働組合および個々の教員と
十分な協議を尽くした上で合意されるべきものであって、「任期制・
年俸制」を一方的、一律的に導入することは認められない。
大学管理本部は、優秀な教員を確保するために「任期制・年俸制」
を導入すると説明しているが、それがいかに研究者の世界で誤った
発想であるかは、教員の大量転出や最近行われた新大学の公募人事
で応募者が1桁という低調さを見れば明白である。これまでの都立
の大学の公募人事ではありえないような状況を、大学管理本部がわ
ざわざ創り出しているのであり、長期にわたって築いてきた都立の
大学の名誉を傷つけているのである。大学管理本部は、すでに現実
化しているこのような弊害を真摯に受け止め、「任期制・年俸制」
の導入を見直し、大学の教育・研究により相応しい勤務労働条件と
身分保障について早急に大学側と協議するべきである。
(3)助手定数案に示された数の根拠、および、再配置の進め方
昨年からの度重なる助手会等からの要請、質問に対して、設置申請
後の5月末にやっと定数と再配置案が提案された。これも一方的な
提示であり、なんらの協議も相談もないという点で重要な問題を含
むものである。このため内容に関しても定数の算出根拠などを明確
に示すと同時に、再配置については助手の意思を最優先するべきで
ある。特に、雑誌「財界」で取り上げられた理学部の助手の実体に
関しては、全く事実に反するものであり、これまでに助手が果たし
てきた大学での教育と研究に対する貢献を正当に評価せずに今回の
定数と配置が考えられているとすれば、重大な問題であり決して見
過ごすことは出来ない。新大学の最高責任者である高橋予定理事長
には、直接に現地に出向いて事実を確認せず、伝聞を元に助手の再
配置を実行することのない様に強く要望する。
以上の3項目の当面重要な問題について、大至急各大学の執行部や
評議会、教授会等で十分な話し合いを行い、これらの問題が一刻も
早く明確にされるよう、管理本部等関係組織に働きかけることを強
く要望する。また、これらの疑問に対して、高橋理事長予定者、西
澤学長予定者、原島大学院検討部会座長は、その責任において全教
員に対して速やかに文書等で現大学の全教員に就任承諾書(助手に
対しては「意思確認書」)の提出締切以前に示すことを強く求める。
私たちは、4大学に勤務し、教育と研究に携わり、現在と未来の学
生・院生と大学の将来に責任を持つ大学教員の立場から、以上を本
集会の決議とする。
2004年6月4日
「就任承諾書(助手に対しては「意思確認書」)提出の前提となる
諸条件を明確にすることを強く求める」緊急4大学教員集会
主催:4大学教員声明呼びかけ人会
賛同:開かれた大学改革を求める会、文系助手会有志、理学研究科
助手有志、工学研究科助手有志、東京都立大学・短期大学教職員組
合
━ AcNet Letter 122 【3】 ━━━━━━ 2004.06.06 ━━━━━━
日本数学会理事長声明
『横浜市立大学における数理科学の教育について』2004.5.25
横浜市立大学の未来を考える『カメリア通信』第22号2004年6月5日
編集発行人: 矢吹晋 連絡先: yabuki@ca2.so-net.ne.jp
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-22.pdf
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日本数学会理事長声明
横浜市立大学における数理科学の教育について
平成16 年5 月25 日
日本数学会理事長 森田 康夫
横浜市長 中田 宏 殿
横浜市立大学 最高経営責任者 孫福 弘 殿
文部科学大臣 河村 建夫 殿
日本学術会議会長 黒川 清 殿
横浜市立大学における数理科学の教育について
現在、横浜市立大学理学部には数理科学科があり、教員11名で学生
定員30名の教育を行っています。学科の規模は日本の数学系学科の
中では小規模ですが、受験生の人気は理学部の学科の中でも高く、
英文専門誌Yokohama Mathematical Journal を発行し、卒業生は教
育界や実業界などで全国的に活躍しています。
さて、横浜市立大学は横浜市と連携して大学改革を検討しており、
平成15年10月22日に開催された臨時評議会で「横浜市立大学の新た
な大学像について」を採択しました。ところが、平成16年3月25日横
浜市大学改革推進本部事務局が発表した「国際総合科学部(仮称)
コース・カリキュラム案等報告書」では、上記の横浜市立大学の改
革案にあった国際総合科学部理工学府の数理情報コースが外され、
数理科学の体系的な教育が横浜市立大学からなくなろうとしていま
す。私は、この決定は数理科学(広い意味での数学)に対する理解不
足から来るものであり、再考が必要ではないかと考えます。
日本の数学者は従来、数学が世の中の生活に役立っていることを、
余り強調して来ませんでした。
しかし、ニュートン力学には微分積分学が必要不可欠であり、電磁
気学にはベクトル解析が必要であり、量子力学にはヒルベルト空間
論が必要であり、相対性理論には非ユークリッド幾何が不可欠なよ
うに、科学の研究と応用には数学が欠かせません。経済を始めとす
る文系の学問にも、数学がよく使われます。最近の例を上げると、
情報科学の基礎は数学の基礎とほぼ同じであり、情報通信に使われ
る暗号などには代数学の高度な知識が使われており、伊藤清が構築
した確率微分方程式の理論が金融工学に使われております。この様
に、数学は科学が進歩した現在社会の不可欠な基礎となっています。
また、数学の証明とコンピューターのプログラムが構造的に類似し
ているため、数学の専門教育を受けた人は、ほんの少しプログラム
言語の勉強をすると非常に優れたプログラムが書けるのが普通であ
り、電機業界やソフト業界では数学系の学科を卒業した学生が数多
く活躍しています。その他、将来予測、品質管理などには統計学の
知識が不可欠なため、卒業生の一部は、保険や年金の設計や管理、
メーカーの生産現場などでも活躍しています。
私は、新しい横浜市立大学が掲げる「発展する国際都市・横浜とと
もに歩み、教育に重点を置き、幅広い教養と高い専門的能力の育成
を目指す実践的な国際教養大学」との理念に賛成致します。しかし
そのことを実行するためには、「科学を語る言葉である」数学の充
実した教養教育が不可欠であり、また、中田市長が掲げる「横浜の
特性を活かし、今後の成長が期待されるバイオ関連産業やIT 産業の
育成支援に取り組む」ためには、数理科学の体系的な教育が不可欠
であると考えます。
ナノテクノロジー、バイオ、IT のような成長著しい産業では、5年
も経つと技術革新により必要とされる技術は一変します。大学での
教育では基礎をきちんと教えることが重要で、「即戦力」を強調し
過ぎると、教えられた知識はすぐ役に立たなくなります。時代の脚
光を浴びる産業は次々に変わりますが、卒業した学生は40年程度働
かなければなりませんから、教育の設計には長期的な視野が不可欠
です。なお基礎的な学問は、多くの分野に応用が効き、時代の求め
に柔軟に応じられることも指摘しておきたいと思います。
設置者である横浜市が、横浜市立大学に地域貢献を求めることは当
然です。しかし、その他にも忘れてならないことがあると思います。
大学教育の質が上がれば上がるほど、学生は全国から集まる様にな
るのが普通です。その様な場合、横浜市から見ると、他地域に住む
子弟の教育のために財政負担をしているように思えるかも知れませ
ん。しかし、4 年間横浜市で学習した影響は大きく、彼らは日本各
地に分散した後、横浜市のスポークスマンとしてその地で活躍し、
横浜市のステータスを上げると共に、観光面や経済面でも横浜市に
貢献すると私は思います。
私は、横浜市が充実した教育を行う大学を持つためにも、IT 産業の
育成を行うためにも、さらに全国的なステータスを高く保ち、観光
や経済面でメリットを受けるためにも、新しい横浜市立大学におい
て数理科学の教育を重視することを訴えたいと思います。
日本数学会理事長 森田 康夫
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